DIYで自作する薪棚の作り方!キットを使った作り方から完全自作の方法もご紹介。

薪棚

寒い冬に体の芯から温めてくれる薪ストーブ。
煮込み料理を作ったりやかんでお湯を沸かしたりと、暖房以外の実用性にも優れているので、一度暮らしに取り入れると手放すことのできない存在です。

ところで、薪ストーブに欠かせない薪ですが、どのように管理するかご存知ですか?
意外と多くの薪を消費するので、保管場所のことも考えておく必要があります。

薪の保管には「薪棚」を作って収納するのがおすすめです。
作ると言っても簡単なキットもありますから、そうハードルは高くありません。

薪棚の作り方から、薪の積み方まで、薪の保管方法についてご紹介します!

 

 

薪の保管場所(置き場)と管理方法

薪の保管場所は、家から離れてしまうと運ぶのが大変です。
基本的には庭や通路(犬走り)など、家から近い場所で保管しておきましょう。
日当たりと風通しの良い場所が保管には適しています。

 

薪を管理するポイント

薪の大敵は湿気です。
湿気というと雨を思い浮かべますが、実は地面から受ける湿気の方が厄介で注意が必要。
薪を地面に直置きすることだけは避けておきましょう。
地面から離して通気を確保することで、しっかりと乾燥した”よく燃える薪”を準備できるのです。

 

薪の消費量と乾燥期間

薪はどのくらいの量を消費するものなのでしょうか?

1日で使う薪の量は、2〜3束前後(関東圏内を想定)であることが多いようです。
月にすると600~900キロ、ワンシーズンでは3~6トンもの薪を消費すると言われています。
(薪ストーブを主暖房ではなく、補助暖房として使う場合はもう少し消費量が減ります)

また、薪は割ってすぐに使えるものではなく、乾燥させる時間も必要です。
薪の大きさなどにもよって異なりますが、基本的な乾燥期間は半年〜1年半がベストと言われています。
オフシーズンでも薪を保管することになりますので、庭や限られたスペースで効率的に管理する為にも、薪棚は必須のアイテムと言えるでしょう。

 

 

キットを使った簡単な薪棚の作り方

一番簡単でおすすめなのが、薪ストーブメーカー「ファイヤーサイド」のログラックです。
鉄製でとても頑丈なラックなので、屋外での使用も問題ありません。

大サイズは約50~60束の薪を収納、小サイズは約25~30束を収納できます。
価格は大サイズ11,000円(税別)、小サイズ7,500円(税別)となっています。

もうひとつ、ファイヤーサイドから販売されている商品が「2×4ログラック」です。
こちらは設置場所に合わせて、間口を可変することができます。
ホームセンターで2×4材を購入し、脚の部分に使用します。
DIY初心者でも簡単に組み立てられるキットです。

また、屋根を自作して取り付けられるように、屋根止めの金具も付属しています。
価格は14,300円(税別)、高さも調節できるタイプは16,500円(税別)となっています。

(注)価格は2018年5月時点での数値。サイトなどにより変動する場合があります。

手軽に設置できるログラックですが、地面がでこぼこだったり石が転がっていたりすると、水平を保つことができず危険です。地ならしだけは事前にしておきましょう。

 

 

基礎(土台)から完全自作!薪棚の作り方

ログラックに屋根を付けるだけでも立派な薪棚が作れますが、薪ストーブユーザーとしてさらに本格的な薪棚を製作したい方もいるでしょう。
ポイントと注意点を交えながら、手順をご紹介します。

 

一番重要な基礎(土台)作り

薪棚には数百キロの荷重がかかりますから、その荷重に耐えられる構造でなくてはなりません。
荷重のほとんどは土台部分にかかるので、頑丈で、なおかつ地面からの湿気を避けられる構造であることが必要です。

土台にはコンクリートを打設することがベストですが、なかなかそこまでは難しいもの。
ブロックやレンガを並べても十分な基礎を作ることができます。

どちらの方法でも重要になるのが、レベル調整です。
基礎が水平でないと積んだ薪が崩れてしまいますので、必ず水平器を用いてレベル調整を行いましょう。

地ならしをした地面の上にブロックを並べ、その上に枠組みとなる2×4材やパレットを配置します。
水平器でバランスを取りながら、傾きがあればその都度スコップで土を削ったり、盛ったりを繰り返していきます。
また、枠組みを金具で固定してしまうと、接合部に防腐剤が塗布できないので、先に使用する木材に防腐剤を塗布しておくことをおすすめします。

 

薪棚の組み立て

四方に柱を立てるだけでは、薪棚としての強度は不十分です。
柱と柱の間に「間柱」を立てたり、間柱と柱を「横桟」で連結させたりします。
斜めに木材を渡す「筋交い」も有効です。
小さな家を建てるイメージで頑丈な薪棚を作りましょう。

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2×4材を使うなら、接合金具はシンプソン金具がおすすめ。
薪棚用の金具が販売されています。

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薪棚製作にかかる費用はどのくらい?

自作の場合、薪棚製作にかかる費用はまちまちです。
というのも材料となるブロック、レンガ、木材、パレットなどを人から譲ってもらえた場合、かかる費用はゼロになることもあるからです。
足りない材料だけを買い足せば、数千円で作れることもあるでしょう。
但し、基礎にコンクリートを打設する場合は、その費用がかさむケースが多いようです。

 

 

薪棚の屋根について

薪棚の屋根はあった方が良いと言えますが、雨を避けることができれば無くても問題ありません。

プロの薪屋さんは屋根ではなく、積んだ薪の上にブルーシートと重石を常時載せておき、風雨が強くなりそうな時に全面に被せるという対応をしている場合が多いです。
薪を大量に保管している場合には、このような方法も効率的ですね。

 

薪棚の屋根の作り方

薪棚の屋根材は、機能性を重視するのなら波板、見た目を重視するのなら枠組みと同じ木材で作ると良いでしょう。
木が剥き出しになってしまうとすぐに腐ってしまうので、枠組みした上に合板を張り、その上にアスファルトシングルなどを張れば見た目も良く、防水性も高いのでおすすめです!

もう少し簡易的に済ませる場合、波板の材質は塩ビ製が安くて加工しやすいですが、耐久性に劣るので、強度のあるポリカーボネイト製が良いかと思います。

 

薪棚の屋根の勾配(傾斜)は?

屋根の専門的な話になると、一寸勾配や二寸勾配など定義が色々とありますが、ここではDIYの話なので少し簡単にご説明します。

薪棚の枠組み上部に、斜めにカットした横板を固定します。
左右同じ傾斜になるようにすることがポイントです。
雪が多く降る地域なら、勾配を大きく取りましょう。
その上に屋根材をのせるための木材を渡して、屋根材を載せて固定します。

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薪棚への薪の積み方

始めにご説明した通り、薪の保管で大切なことは、湿気を避けて日当たりや風通しの良い環境で乾燥させることです。
また、薪が途中で崩れないように積んでおく必要があります。

その為には「井桁積み」という積み方がおすすめです。
井桁積みとは、薪を4本程度並べて次の段は向きを変え、互い違いに積み重ねていく積み方のことで、薪と薪の間に自然と空間が生まれ、通気をとることができる積み方です。

全て井桁積みにすることが望ましいですが、時間もかかりますし、収納量が限られてしまいます。
写真のように、両端だけ井桁積みにし、残りは普通に積んでいく「棚積み」とのミックスにすると良いでしょう。

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まとめ

薪の必要量は、ライフスタイルやお住まいのエリアによって変わってきます。
もしかしたら、薪棚がひとつでは足りなく、2つ3つと自作する機会も出てくるかもしれません。
薪の調達と同じように、薪棚の製作も楽しみながら、冬を迎える準備をしていきたいですね。

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