2019年最新版!屋根材の種類に合わせたおすすめポイントをご紹介!
屋根材とは屋根の表面を覆い、風雨から住宅を守る重要な建材です。
屋根は外壁とともに、最も雨風にさらされる場所であり、耐久性が求められます。
また、外観を構成する部材でもあり、デザイン性も大切な要素に。
機能とデザイン性、そして価格。比較する要素が多いので、屋根材選びには悩まれる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、屋根材の種類やおすすめのポイントについてご紹介します。
屋根材の種類について
屋根材には多くの種類がありますが、最近の主流となっている屋根材から4種類を厳選してご紹介します。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、鉄にアルミニウムや亜鉛などのメッキ加工を施した屋根材です。
同じ金属屋根のトタンよりサビにくいという特長を持っています。
ガルバリウム鋼板を屋根と外壁に使用すると、シンプルでモダンな外観の住宅にすることが可能です。
屋根と外壁が同じガルバリウム鋼板の場合、メンテナンスの時期も合わせやすく、メンテナンス費用の削減にも繋がります。
また、ガルバリウム鋼板は軽量であることもメリット。
軽量な屋根材は、構造躯体に負担がかからず、耐震性の向上が期待できます。
アスファルトシングル
アスファルトシングルはシングル材とも呼ばれ、北米では100年以上前から使われている屋根材で、アメリカでは8割のシェアを誇っています。
アスファルトシングルは、ガラス繊維が基材です。
基材にアスファルトを含有させ、表面に石粒を吹き付けて接着塗装しています。
石は退色をしない為、色落ちしないのもメリットの一つです。
スレート
スレートとは、粘土質の岩石にセメントや天然石を混ぜて固め、薄く加工した屋根材です。
一般的には、メーカーの商品名である「カラーベスト」「コロニアル」の方が呼び名として定着しています。
瓦のようにも見えるので「スレート瓦」と呼ばれることもあります。
比較的軽量で安価、普及率からも施工できる業者が多く、デザインもシンプル。
スレートはバランスの良い屋根材といえ、最近の建売住宅で主流となっています。
塗料が落ちると防水性能も劣るので、定期的な塗装メンテナンスが必要な屋根材です。
瓦
瓦の種類は、焼き物の瓦とセメント瓦に分かれます。
焼き物の瓦には、釉薬を施すものと施さないものがあり、釉薬でコーティングされた釉薬瓦は、耐水性と耐久性を備え、瓦自体には塗装などの定期メンテナンスが必要ありません(下地などのメンテナンスは必要です)。
釉薬を施さない素焼きの瓦では、ヨーロッパの街並みでよく見られる赤茶色の瓦屋根が有名です。
セメント瓦は、セメントと砂などを加圧成型し、塗装したものです。
成型して製造するため精度が高く、塗装のバリエーションも豊富に揃っています。
屋根材の性能比較
耐用年数とメンテナンス
耐用年数が最も長いのが焼き物の瓦で、約50~60年です。
メンテナンスを怠らなければ半永久的に使えるとも言われています。
瓦自体のメンテナンスは不要ですが、瓦周辺の漆喰や下地材の補修は必要となります。
セメント瓦は少し耐用年数が短くなり、約30年に。
セメント瓦は10~15年程で塗装メンテナンスも必要になります。
続いて約20~30年の耐用年数となるのが、ガルバリウム鋼板(塩害のある地域では約10年)、アスファルトシングル、スレートです。
いずれも定期メンテナンスをした上での耐用年数になります。
定期的な塗装が必要になる屋根材は、スレートとガルバリウム鋼板です。
スレートは約10年、ガルバリウム鋼板は15~20年程で塗装メンテナンスが必要になるでしょう。
アスファルトシングルは定期的な塗装が不要な場合もありますが、立地や気候によってはカビやコケが生えたり、強風によって一部が剥がれたりすることもあります。
10年に一度くらいは点検すると良いでしょう。
断熱性
直射日光を受ける屋根には断熱性も必要に。
冷暖房費削減の面からも、屋根材の断熱性能は気になるところです。
断熱性が最も高いのは、厚みがあり熱を伝えにくい瓦です。
また、瓦の形状から下地材と瓦の間に空気層が生まれます。
この空気層が熱を伝えにくくし、他の屋根材と比べて夏でも7~8℃程度涼しく過ごせるでしょう。
ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル、スレートは、防水シートに屋根材を張っていく為、空気層を設けることができません。
その為、屋根材による断熱効果は期待できませんが、屋根材に遮熱塗料を施して、熱を遮る工夫は可能です。
また、ガルバリウム鋼板には屋根材と断熱材が一体となった商品もあります。
遮熱塗料も施されていれば、より安心できるでしょう。
重量
屋根材の重量は、住宅の耐震性に大きな影響を与えます。
屋根材は軽量であるほど、耐震性が高いと言えるでしょう。
最も軽量なのは、ガルバリウム鋼板で約5~6kg/㎡です。
次に軽量なのが、アスファルトシングルで約10~12kg/㎡。
スレートが約18~21kg/㎡となっています。
最も重量が重いのが瓦です。
焼き物の瓦は約48~50kg/㎡という重量があります。
セメント瓦でも約42~43 kg/㎡もの重量です。
ガルバリウム鋼板と比べると、約8倍の重さが家全体に掛かることになります。
屋根材の価格
やはり一番気になるのは、屋根材にはどのくらいの費用が掛かるかということではないでしょうか。
一般的な目安となりますが、屋根材本体の価格についてご紹介します。
最も高価となるのが、焼き物の瓦です。
約8,000〜12,000円/㎡が目安になります。
セメント瓦は少し安価になり、約6,000〜8,000円/㎡が目安となるでしょう。
ガルバリウム鋼板もセメント瓦と同等の価格で、6,000〜8,500円/㎡が相場となっています。
安価な部類となるのが、アスファルトシングルとスレートです。
5,000〜7,000円/㎡が費用の目安となるでしょう。
おすすめの屋根材
各種屋根材のおすすめのポイントについてご紹介します。
ガルバリウム鋼板のおすすめポイント
ガルバリウム鋼板は、モダンでスタイリッシュな外観が好きな方におすすめです。
高級感は出しにくいですが、スマートで洗練された印象を与えます。
また、耐震性・耐久性を重視する方にもおすすめです。
地震の際にも瓦のように落下する心配はありません。
塗装メンテナンスは必要ですが、スレートよりも頻度は少なめ。
ガルバリウム鋼板は合理性の高い屋根材と言えるでしょう。
アスファルトシングルのおすすめポイント
アスファルトシングルは、軽量で加工しやすく、複雑な屋根形状や曲面で使うことも可能です。
軽量なので耐震性の面からも安心できるでしょう。
アスファルトシングルは柔らかいシート状の素材の為、瓦のようにヒビ割れしたり、金属屋根のようにサビたりする心配もありません。
ガルバリウム鋼板のような耐震性・耐久性が欲しいけれど、金属的な外観が苦手という方におすすめです。
スレートのおすすめポイント
建売住宅に多く採用されている屋根材の為、オリジナリティのある住宅を建てたい方には不向きですが、屋根材の費用を抑えたい方にはスレートがおすすめです。
施工できる業者も多く、メンテナンスの際に困ることもないでしょう。
瓦のおすすめポイント
外観に高級感や重厚感を出したい方には、瓦がおすすめです。
瓦は、和風住宅にも洋風住宅にも良く合い、湿度が高い日本の気候にも適した素材。
初期費用は高めですが、メンテナンス頻度は低めなので、トータルで考えれば一概に「高い」とも言えません。
ただし、住宅に重量が掛かる為、耐震対策はしっかり行うことが必要です。
まとめ
住宅を守り、外観の印象も左右する屋根材。
写真だけでなく、サンプルなど実物を確認したり、触ったりすることも大切です。
様々な面から吟味して、後悔のない選択をしたいですね。