リビングに階段のある暮らし。間取りやメリットデメリットについて。
インテリア雑誌などで見かける”リビング空間の中に階段がある家”。
とてもオシャレで憧れてしまいますよね。
しかし、気になるのは実際の住み心地はどうかということ。
メリットは何となく思い浮かぶ方も多いかと思いますが、デメリットはピンと来ないのではないでしょうか。
この記事では、リビング階段のある家に暮らしている人の感想を交えながら、メリットやデメリット、後悔しない為のポイントなどをご紹介していきます。
リビングに階段のある間取り
ひと口にリビング階段と言っても、様々な間取りやデザインがあります。
素敵なデザインや、楽しく暮らせそうな間取りなど、事例をご紹介していきます。
コンパクトな家に開放感を
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リビング、ダイニングキッチンがコンパクトにまとめられた住宅ですが、吹き抜けとスケルトン階段を採用したことで窓から差し込む光を効果的に利用し、開放的な空間に仕上がっています。
スキップフロアで楽しいリビング階段に
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家族の思い出や本をたくさん詰め込んだ本棚を備えて。
スキップフロアのワークスペースは書斎として、子供の勉強スペースとして、多用途に使えそう。
ボックスタイプのリビング階段
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一般的なボックスタイプのリビング階段でも、吹き抜けがあれば開放感を得られます。
柵をしっかり取り付ければ、お子様がいるご家庭も安心ですね。
開閉式扉付きのリビング階段
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状況によって扉を閉めることができるリビング階段。
気密性がそんなに高くないお家の場合は、真夏や真冬の光熱費削減に一役買いそうです。
モダンなリビング階段
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アイアンのフレームがクールでモダンな印象に。
フレームに異素材を使うことで空間にメリハリがつきます。
リビング階段をディスプレイコーナーに
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階段にグリーンを飾ってディスプレイコーナーに。
眺めているだけでも楽しい気分になれるアイディアですね。
収納たっぷりのリビング階段
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ボックスタイプのリビング階段なら、ぜひ組み込みたいのが箱型収納。
お気に入りの本や雑貨、花瓶でディスプレイしても素敵です。
リビングという場所柄、家族共有で使う文房具や生活用品の収納としても活躍するでしょう。
リビング空間に階段があることのメリット
写真や間取りを見ていると、ますます憧れが高まるリビング階段。
具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
視覚効果でリビングが広く見える
リビングに入った際、空間内に階段があると視覚効果で奥行きや広がりを感じることができます。
さらに吹き抜けがあれば、高さ方向にも開放感を得られるでしょう。
同じ面積のリビングでも、リビングに階段があるかないかで感じられる広さは変わってくるのです。
特に狭小住宅ではリビング階段を取り入れるのがおすすめ。
リビングの面積が狭くても、吹き抜けとリビング階段を効果的に使えば、開放的な空間にすることができます。
また、階段や廊下のスペースを節約できるので、その点でも合理的と言えるでしょう。
リビングがオシャレに見える
オシャレな住宅には必ずといっていいほどある「吹き抜け」や、踏板だけで構成された「スケルトン階段」。
これらの要素はリビング階段との相性が抜群です。
リビングに吹き抜けとスケルトン階段があればそれだけで目を引き、他のインテリアがシンプルでも十分オシャレなリビングに仕上がります。
また、吹き抜けとスケルトン階段は窓からの光をリビングに届けるので、明るさを確保しやすいのもメリットの一つですね。
家族とのコミュニケーションが取りやすい
リビングに階段があると、1階と2階が遮断されない、緩やかに繋がった空間になります。
食事の支度が整い家族を呼ぶ時にも、リビングから呼びかければ声が届くので、2階へ上がる手間がありません。
また、よく言われるのが”子供が子供部屋に直行しない”、”子供とコミュニケーションが取りやすい”というメリットです。
子供の変化や兄弟喧嘩などにも気が付きやすくなるでしょう。
年頃になった子供の夜遊び防止にも役立つかもしれません。
実際に暮らしている人が感じたメリット
リビング階段のある家で生活している人の経験談では、動線の良さをメリットとして挙げられる方が多いです。
廊下がなく、扉の開け閉めがないので1階と2階の行き来が楽になります。
住んでいる人だからこそ分かるメリットですね。
リビング空間に階段があることのデメリット
多くのメリットを持つリビング階段ですが、そのメリットがそのままデメリットとして反映されてしまうことも。
住宅の作りにもよりますが、冬場の寒さ対策に四苦八苦する人もいるようです。
冬は寒いリビングに
リビング階段を後悔する人の中で多く挙げられるデメリットが「寒さ」です。
1階にリビングがある場合、エアコンなどでリビングを暖めても、暖かい空気は軽いのでリビング階段を通して2階へ上昇してしまいます。
それと入れ替わるように流れ込んでくるのが、暖気より比重のある冷たい空気です。
この現象はコールドドラフトと呼ばれ、対処するにはドアやカーテン、ロールスクリーンなどで仕切り、空気の流れを遮断するしか方法がありません。
せっかくのリビング階段なのに、メリットを生かせなくなるのは勿体無いですね。
※ページ下部の”後悔しない為に押さえておきたいポイント”で対策も記載しています。
階段の位置や形状によっては圧迫感を感じることも
スケルトン階段をリビングに採用すれば、開放感や明るさを得られる一方で、赤ちゃんや幼児がいるご家庭では転落のリスクも。
このような場合には、一般的なボックス階段の方がおすすめです。
しかし、階段の位置やリビングの広さによっては圧迫感を感じることも考えられますので、プランニングの段階で設計者と十分に擦り合わせをしておく必要があるでしょう。
プライバシーが確保しづらい
リビング階段は家族とのコミュニケーションが取りやすい反面、プライバシーが確保しづらいということがあります。
幼い頃はそれで良くても、思春期に差し掛かるとデリケートな問題が出てくるかもしれません。
また、休日などにお父さんがパジャマでくつろいでいる中、子供が急に友達を連れてきて慌てることも(笑)。
ある程度は身だしなみに気を配り、リビングをきれいに保つ必要も出てくるでしょう。
実際に暮らしている人が感じたデメリット
まず挙げられるのが、「音」が響いてしまうという問題。
ドアがなく出入りの自由度が高いと、その分音が響きやすいというデメリットが生じます。
特に吹き抜けがあると、1階の音は2階へ筒抜けになってしまいますし、2階の子供部屋で子供が騒いでいると、1階のリビングでくつろげないというケースも。
次に挙げられるのが「匂い」の問題です。
1階にキッチンがある場合、間取りによっては2階に調理の匂いが流れて行ってしまうこともあります。
後悔しない為に押さえておきたいポイント
リビング階段を設置して後悔しない為にも、前述したデメリットを解消するポイントを抑えておきましょう。
寒さへの対策
住宅の構造や性能によっては、リビング階段は「寒い」という結果を招いてしまいます。
そうならない為にも大切なのが、家の断熱性と気密性です。
高気密・高断熱の住宅は暖めた空気を外へ逃がしませんし、シーリングファンやサーキュレーターで空気を攪拌すれば、家全体を暖めることができます。
足元から暖めてくれる床暖房も効果的です。
また、数ある暖房器具の中でもおすすめしたいのが薪ストーブです。
薪ストーブは、ストーブ本体だけでなく煙突からも輻射熱を発します。
吹き抜けがある住宅でも、家全体を効率良く暖めてくれるでしょう。
※薪ストーブに関する参考記事はこちら
音の対策
主に問題となるのが、生活時間帯がずれている家族への配慮です。
先に就寝する子供を起こさないように、テレビの音や夫婦の会話などに気を遣う場面は出てくるでしょう。
心配であれば、リビング階段に引き戸を設置しておくのも一案。
音の対策を優先するのなら、ボックス階段に引き戸をつけるプランが良いでしょう。
匂いの対策
調理中の匂いが2階へ流れないようにするには、リビング階段とキッチンの位置を離すことがポイント。
強力な排気能力のあるレンジフードを採用するのもおすすめです。
キッチンのレイアウトは、匂いが流れやすいアイランド型よりも、壁付け型やセミオープン型を選ぶと良いでしょう。
まとめ
リビング階段や吹き抜けは、家の間取りを決定づけるものです。
デザインだけでなく、建築費用や光熱費、家族の安全性など様々な面から検討し、後悔のない選択をしたいですね。